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遺言で信託,使ってますか?

 先日,さる同業の先生から相談を受けました。詳しくは書けませんが,身寄りのないお年寄りが,自分の死後に払わなければならないお金のことを心配しているがどうするか,というものです。

 自分が死んだら○○してほしい,というご希望はよくありますね。たいていは相続人に頼んでおけばよいのでしょうが,身寄りがなかったり,相続人がアテにならない人ばかりだとそうもいきません。一番切実な状況をあげてみると,自分の死後に残されたペットの世話とか,永代供養のお墓に入るにしてもその後の管理費の支払とかでしょうかね。ペットの引き取り手がなく保健所に収容されたり,管理費不払いで永代使用権が消滅してしまったり,という最悪の事態を免れるべく,事前にキッチリ手を打っておかないとオチオチこの世を去ることもできません。

 まあお墓でしたら,管理費を支払う必要のない永代使用墓地というのもありますので,そういうお墓を探すのも解決策の一つです。では,どうしても管理費を払い続けたかったり,ペットの引き取り手を確保しておきたかったりする場合はどうしたらよいでしょうか。

 ワタクシが考えたのは,信頼できる人に頼んで話をつけておき,しかる後,遺言で信託を設定するという方法です。にわか勉強なので不正確かもしれませんが,以下に考えたことを書いてみます。

 信託というのは,「特定の者が一定の目的に従い財産の管理または処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすること」です(信託法2条)。遺言事項の一つなのですが,昨年の法改正以降だいぶ使いみちが増えてきたみたいでありますね。

 その増えた使いみちのひとつに,目的信託というのがあります。信託には普通登場人物が3人います。お願いする側の委託者,お引き受けする側の受託者,信託で得する受益者,の3人なのですが,ペットやお墓の管理費の事案を持ってくると,この構図にうまくあてはまりません。というのも,受益者にあたる人がいないのであります。法的にはペットは人じゃなくて物ですし,管理費を払ってもらうお寺などは,管理に必要なお金としてお預かりしているのであって,単にお金をもらってトクしているわけではありません。こういう受益者不在のヤボ用をやってもらうのが,改正で新設された目的信託というものであるらしいです。

 目的信託では,受益者がいないため,受益者になりかわって受託者の仕事ぶりをチェックする信託管理人の設置が必要になります。存続期間には20年という制限があります。

 ペットでしたら,愛情を持って飼って下さる方を受託者とし,行政書士が信託管理人になってもいいかもしれませんね。死後の費用の支払などは,行政書士を受託者とし,お年寄りの信頼しているご友人に信託管理人になってもらう,というのもアリかと思います。面倒なヤボ用をお願いするからには,それなりの報酬を設定しておくのが気持ちよく引き受けていただくためのポイントでありましょう。

 また,信託は,浪費癖や知的障害を抱えた我が子を残して世を去らなければならない親御さんにもお役に立つかもしれない制度であります。他にも使いみちはいろいろあるようですので,勉強しておくとよいかもしれませんね。

 信託につっこめるお金が3千万円くらいあると,信託銀行がいろいろやってくれるようですが,そこまではチョット,というときに行政書士がお手伝いできるシチュエーションがあるかもしれません。

 今回参考にした改正信託法の解説本はこちらです。

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