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生後認知による国籍取得が認められるかもしれません

 昨日,最高裁の第一小法廷が生後認知による生来的国籍取得の確認訴訟を大法廷に回付したそうです。これは入管業務を扱う行政書士にとっては大ニュースであります。詳しいことはこちらの読売オンラインの記事をご覧ください。

 現行実務では,日本人の父と外国人の母から生まれた非嫡出子を,生まれた後に認知することで日本人との法律的血統(入管法的には「日本人の子」としての法的地位とも言い換えられますね,)を取得しても,それだけでは日本国籍を取得することはできません。

 子供が生まれる前に認知しておけば出生と同時に日本国籍を取得できたのですが,まあ過去に戻って認知してくるわけにもいきませんのでしかたがありません。それではこの先国籍取得するにはどうすればいいかというと,両親が婚姻すれば準正により日本国籍を取得することができます。子供にしてみれば,日本人の子であるのは確かなのに,親が結婚しているかどうかで日本人としての権利が得られるかどうかが決まってしまうことになるわけです。

 そこでですね,およそ5年前,生後認知を受けた非嫡出子のうち,両親が婚姻した者は日本国籍を取得し,そうでない者は日本国籍を取得できないとするのは不合理な差別じゃないかと論じた事件があったのですが,最高裁は内部で賛否両論ありながらも結論としては「不合理じゃないです」と結論づけておりました。その件については以前こちらの記事でワタクシの論評を書いておりますので興味のある方はご覧ください。

 前置きが長くなりましたが,大法廷で判例変更されて違憲判決が出されれば,国籍法が改正されるか,認知に遡及効を認める方向で運用が変更される可能性が高くなります。相談にいらした外国人の妊婦さんに,何としても出産前に認知をしてもらうようにとアドバイスする必要がなくなるかもしれません。

 それにしても,最高裁が合憲だと言っているものを「違憲である」と判決した地裁の裁判官,勇気ありますねー! 裁判所の中の人たちもまだ捨てたもんじゃないということでありましょうか。無駄に終わるかもしれない訴訟をしつこく打った原告側関係者もまことにアッパレであります。しぶとく正義を追及する不撓不屈の精神が,法律家に求められる資質なのかもしれませんね。ワタクシも見習わなくては。

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