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会社法の条文に無理矢理にでも親しむには

 えー,読者様の中には会社設立業務なんかもやっていきたいとお思いの方々もいらっしゃることと思いますが,会社法の勉強,進んでますか。会社法の条文,多いですねー,複雑ですねー,読みにくいですねー,かったるいですねー,やってらんないですねー,他にいろいろやることがあるんですよねー,ということで条文の読み込みはやってません,なーんて方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。お気持ちはよくわかります。

 ワタクシも学校ではなかなか会社法の条文読み込みの時間がとれませんでした。でも今日ご紹介する秘策を敢行することで,試験前の1週間で「ああ,その話は,たしか○○条あたりに」と見当がつくようになりました。

 では早速,「がぶりぽんチョコがお送りする,不勉強なアナタのための会社法速成読み込み講座」をお楽しみください。

(用意するもの)
六法(できれば判例付きのもの)。蛍光ペン2色。赤ボールペン(細字推奨)。定規(本屋さんでくれる栞でも可)。岩波新書の神田秀樹著「会社法入門 」。ベストセラーになりましたから小さい本屋さんでも見つかると思います。薄くて小さい新書です。お値段はラッキーセブンの777円。

 えー,神田先生というのは商法学者で,その専門書は法学部や法科大学院でテキストとして大変人気があります。ご紹介した新書判は一般読者向けの会社法解説本なのですが,その特徴に「条文の指摘が一切ない」という点があるのです。中身は条文の引用そのまんまという部分がほとんどを占めているにもかかわらずです。この特徴を利用して,短時間で会社法の条文をマスターしようじゃないか,というわけであります。ムフフ。

 さて,神田先生の「会社法入門 」を入手されたら,早速読み始めてみましょう。蛍光ペンと赤ペンをご用意ください。さて,ここで一つ前提がございます。神田先生が書いていらっしゃる事は,基本的に全て条文に根拠があるのです。すなわち,本に書いてある事と同じ事が,会社法の条文の中にも書いてあるわけです。それを会社法の条文の最初にある目次を頼りに,探していきます。目次を見ないと際限なく時間がかかってすぐに挫折しますから注意して下さい。法学部の学生さんでも目次を使わない人が多いんですけど,法律の目次は非常に便利なツールです。便利なうえに条文構造がわかるようになりますから一石二鳥なのであります。

 実際に例を挙げて説明しましょう。5ページに「株式会社は,会社法によって法人とされ,」というフレーズが出てきました。会社法の中に株式会社は法人だよと言っている条文があるはずですからそれを探します。こういう当たり前なことを書いてある条文はたいてい最初の方でしょう。

 見つかりましたか?

 見つかったらですね,5ページの「株式会社は,会社法によって法人とされ,」というフレーズに,蛍光ペンその1で傍線を引きます。定規を使ってもいいですし,栞を定規代わりにするのもおススメです。栞を使う場合,右側を蛍光ペン1用,左側を蛍光ペン2用,と分けておいた方がペン先に他の色のインクが混ざらなくてよいと思います(←経験者は語る)。そして,その線の終わりのところに,赤ボールペンで小さく「3」と記入します。3条という意味です。ちなみに項はローマ数字,号は「①」のように○囲みで略すのが普通です。

 最初の部分のうち,歴史の話は雑学として興味のある方だけお読みいただければ結構だと思います。改正の経緯もまあ飛ばしていいかな。全部読み終わってから戻ってくると,ふーん,なるほど,と思えるようになってると思いますが,今はいいでしょう。

 それから,ヒジョーに重要な判例が紹介されている部分では,蛍光ペン2を使います。実務は条文と判例で動いておりますが,根拠が条文なのか判例なのかを意識しておく必要があるからです。そして判例の部分では,判例付き六法に必ず紹介されていますから,サイテーション(裁判所と判決年月日)と,何条のところに紹介されているかを記入します。これにより,それはどの条文の解釈について問題となったのか,ということがわかります。

 この調子で,ガンガン進めて下さい。1日30ページとか,50ページとか,ノルマを決めて読み進め,毎日やるのがコツです。この作戦で重要なのは勢いをつけて集中して取り組むことなのであります。ちなみに1日50ページはかなりキツイです(←経験者は語る)。

 そうすると,何十回も同じ条文を見ることに気づくことでしょう。そして読みながら,だんだん「ああ,またあの条文だな。」と見当がつき,条文を探すスピードがぐんぐんアップしてくることにもお気づきになると思います。これで1冊突貫工事を終えると,概ね会社法の条文配置がつかめるようになっていると思いますよ。

 ちなみにワタクシ,その後半年程ほったらかしておりましたところ,お約束のように全て忘れてしまいましたが,2回目にチャレンジしたところ,かなりあっさりと昔の感覚を取り戻すことができました。回数をこなして覚えたことは忘れにくいし,忘れても思い出すのが簡単です。決して無駄にはなりませんから,ひとつお試しください。


会社法入門 Book 会社法入門

著者:神田 秀樹
販売元:岩波書店
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コメント

>がぶりぽんチョコさん

 がぶりぽん節、炸裂ですね!!!
 参りましたm(_ _)m

 今度うちの事務所にお越しの際に打ち合わせし、先生が納得されたら仮契約を何本か取り交わしておきませんません???
 がぶりぽんチョコ先生の売り出し方に、秘策があるものですから(ここでは申し上げられませんがね…笑)

投稿: ドン・キホーテ | 2007年6月 3日 (日) 02時09分

 ドン・キホーテさんこんにちは。

 わあ,仮契約が何本もあるんですか?
 どんなお話でしょう。楽しみにしております♪

投稿: がぶりぽんチョコ | 2007年6月 3日 (日) 15時05分

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受信: 2007年6月12日 (火) 17時11分

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