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消費者契約法と特定商取引法(4)

 消費者契約法と特定商取引法についての連載4回目の今回は,依頼の実現方法について考えてみたいと思います。

 まず,依頼事項をもう一度確認しましょう。契約をなかったことにして消火器を返品し,支払った3万円の返金を受ける,この2つです。

 契約をなかったことにするツールは前回検討しました。今日はとりあえずクーリングオフと特定商取引法による取消について,その具体的使用方法を見てみましょう。

クーリングオフ(特定商取引法による解除)

 クーリングオフは発信主義ですので(特定商取引法9条2項),その理屈から考えれば,ハガキにでも書いて出せばオッケーなんですが,行政書士が仕事として受任する場合は,一応プロなんですから訴訟に備えて発信したことを立証する証拠を残しておく必要があります。一般的には簡易書留,配達記録,配達証明付き内容証明が用いられるようですが・・・配達記録とか配達証明をつけるのはなぜなんでしょうね。発信主義ということは到達を立証する必要はないということですし,内容証明で出しておけば,中身と発信日付は証拠に残るように思います。でもなにか他の理由があるかもしれませんので,今度学校に行ったら先生に聞いてみることにします。

特定商取引法による取消

 特定商取引法による取消は,9条の2を見ると,発信主義をとるという文言がありませんので,原則通り到達主義のようです。ということは到達まで立証する必要がありますね。そこで配達証明付き内容証明なんかが使われることになるようです。悪徳業者は内容証明は受取拒否することがあるようですから,内容証明に加えて普通郵便を併用したり,ファクスで内容証明と同内容の文面を流して送信記録をプリントアウト,さらに電話して,「×月×日に消火器を買った誰それ(の委任を受けた某)です,今日はえーっと○月○日の,○時○分ころ,契約を取消す旨のファクスを流しましたが届いていますか」と確認し,通話内容を録音しておくのもいいんじゃないかな,と思います。

 次に,依頼事項その2である代金の返金です。本件のミソはすでに代金を支払済であるということですね。お金をまだ払ってなければ内容証明でおしまいにできるのですがねー。相談者の関心事はどうやって返金させるのかです。内容証明を送って業者が素直に返金すればそれでよし。でも悪徳業者なら無視してくるかもしれません。そうしたらどうしましょう。

 少額訴訟なんか,いいかもしれませんね。訴額3万円なら裁判所に払う手数料(印紙代)は千円です。本人訴訟でも裁判所がけっこう親切にしてくれるらしいですからチャレンジしてもいいかもですね。しかーし! 相談者にそんなガッツがあるとは限りません。司法書士や弁護士を頼むとなると・・・お金かかりますよね。

 さて同業者のみなさん。クーリングオフや内容証明の報酬はいくらに設定しておられますか。3万円の回収のために行政書士に内容証明を依頼し,さらに返金に応じない業者を訴えるために司法書士を頼めば,費用倒れはまず間違いないところです。今回の相談者には,そこのところを依頼を受ける前によーく説明する必要があるでしょう。行政書士に内容証明を頼んでも,代金が返金されるかどうかはわからないということだったら,そもそも依頼しないという選択肢だってあるわけで,依頼を受ける前にお金が返ってこない可能性を黙っていたのではそれこそ「不利益事実の不告知」なんじゃないでしょうか。

 依頼を躊躇する相談者に,相談者が自分でできそうなクーリングオフの仕方を教えてさしあげるかどうかは,相談を受けた行政書士のポリシー次第ということでしょうか。ワタクシでしたら,自分でやるから教えてという方には相談料をいただいてお教えします。自分で書くのは面倒だけどお金払うのもいや! どうしても無料で書いてほしい! という方でしたら最寄りの消費生活センターをご紹介(消費生活センターが無料で書いてくれるかどうかはわかりませんが,どうしても全て無料でということでしたらここに相談するしかないように思います)。激安訴訟をお望みでしたら法テラスをご紹介しようと考えています。

 次回は,費用倒れなんか気にしない,あの業者チョーむかつくからギャフンと言わせてやりたい!というヒジョーに応援しがいのある依頼者が現れた場合のフルコースを考えてみたいと思います。

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