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2007年6月に作成された記事

タウンページでクーリング・オフ

 今日,タウンページを見ていると,後ろの方の「タウンページマメ知識」というコーナーでクーリング・オフの仕方が1ページで説明されているのを発見しました。お手元にタウンページをお持ちの方はぜひご覧になってください。おそらくこの部分は全国共通なのではないでしょうか。違っていたらスミマセン。(^^;

 「そんなときは,クーリング・オフ(無条件解除)制度!!」というキャッチフレーズ。クーリング・オフというのは無条件解除のことである,という本質を一言でついているところからもこの記事の作成者がかなりの手練であることがうかがえます。不明な点は消費生活センターに問い合わせるように指示しているところを見ると消費生活センターの中の人でしょうか。

 この記事は,タウンページという媒体の性格から考えれば,明らかに法律の知識のない一般の方を対象にしたものです。ワタクシは手練の専門家が一般の方に自分でクーリング・オフをする方法として,どのような手段を選択し,おススメするのか興味を持ちました。百戦錬磨の専門家が選んだその方法は一番簡単で,しかも証拠保全の観点からもある程度安全性が確保されている方法であるはずです。

 そしてその方法とは,「ハガキに簡易書留又は配達記録をつけて出す」というものでした。確かにこれは一番簡単で郵便料金の観点からも安上がりな方法ですね。ハガキの表裏両面サンプル付きで紹介されています。内容の証拠化は表裏両面のコピーで,発信の証拠は郵便局でもらう伝票です。

 先日ワタクシは特定商取引法についての記事のなかで,「なんとか安くしてもらえないか」という相談者様には自分でできる方法を相談料の範囲内でお教えしようと思う,と書きました。このタウンページの記事を読んでみて,お教えするといっても一般の方に理解できるようにお教えするのは,やっぱりハガキが限界なんだろうなー,という確信を持つ一方,この方法ならあまり時間をとらずにお教えできる(はず),という自信にもつながりました。

 意外なところで意外な物が役に立つものですねー。

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公証役場と告訴・告発に関する専門書を購入しました

 今日は,以前注文していた公証役場に関する本と告訴・告発に関する本が届きました。下にご紹介する2冊です。


公証役場公正証書活用のすすめ 6訂版 Book 公証役場公正証書活用のすすめ 6訂版

著者:山口 和男
販売元:税務経理協会
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書式告訴・告発の実務 第3版―企業活動をめぐる犯罪の理論と書式 Book 書式告訴・告発の実務 第3版―企業活動をめぐる犯罪の理論と書式

販売元:民事法研究会
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 この2冊,実は随分前から欲しかったのです。でも行政書士登録を決心して以来,万年金欠病に拍車がかかったために書店で見かけてもなかなかキャッシャーに持ってゆく勇気が出ませんでした。ところがであります。そうこうするうちに新版が出たというわけですよ奥さん! いやーあのときに無理して買っていたら今頃悔しさのあまり地団駄踏みながらご近所一周しているところであります。嬉しさのあまりついポチッとな,というわけであります。

 まず「公証役場 公正証書 活用のすすめ」の方ですが,これは改訂されて会社法対応になっております。わりとキャッチーなタイトルがついておりますが一般向けの本ではありません。別な言い方をいたしますと,最近寝付きが悪いとお悩みの奥様には寝る前に1ページお読みになることをおススメする,というところでございます。

 でも行政書士には参考になると思います。行政書士が公証人の先生のお世話になるシーンというのは意外と多いものです。ではなぜ公証人の先生のお世話になるのでしょうか。「公正証書を作ることになっているから」「他の先生方がそうしているから」という理由だけでは物足りないという方は,この本を買って損することはないと思います。公正証書等には,実体法・手続法上どのような意味があるのか。この点について理解が深まると同時に,民法・会社法等の実体法と,民訴法・民事執行・保全法といった手続法を公正証書という観点から俯瞰することができ,目から鱗といった感じすらいたします。

 また,「公正証書の理屈なんて別に興味ねーよ」という先生方にも,公証役場に行くときには前もって準備したり公証役場に持参しなければならないものがいろいろあって不安をお持ちの方はおいでなのではないでしょうか。この本にはそういうことも親切に説明されています。

 もちろん,持参すべきものは公証人の先生にお尋ねすれば教えて下さることとは思いますが,素人さんじゃあるまいし,いい歳した街の法律家がご多忙な公証人をつかまえて「○○をしたいのですが,何を持っていけばいいか教えてください」などとは口が裂ける直前ぐらいまでは言わずにおきたいという向きもありましょう。ある程度は自分で調べて,公証人の先生には確認程度にとどめたいという,そんな見栄っ張りのアンタの目ぇが好きや,という方にもおススメいたします。

 次に「書式告訴・告発の実務」。この本も会社法対応版です。告訴状・告発状は専門性の高い分野ですので,扱っておられない先生方も多いようですね。でも刑法・刑訴法を勉強された方でしたら,依頼が来たときに備えて勉強しておくのもよいのではないかと思います。ワタクシは刑事法がわりと好きなので,積極的に取り組んでみたい分野です。

 特にワタクシは,会社設立業務などで親しくなった社長さん等から相談が来ることも意外に多いのではないかと考えています。「せ,先生!大変です!ウチの経理が売り上げもって逃げました!」とか,893のいやがらせが止まらないとか,あとは会社法に規定されている犯罪に関する相談ですかね。「今度○○を検討しているのだが,その際△△することは問題ないだろうか」という相談はありそうですね。

 会社法違反の罪は,知らないとやってしまいがちな行為が多いですから,お得意様を犯罪者にしないためにも「○○するときは××しないように気をつけて下さいね。犯罪ですから。」くらいのアドバイスは普段からサービスしても損はないところでしょう。

 この本を見ながら,ニュースで話題になった刑事事件について,被害者から依頼を受けた気分になって告訴状・告発状を作成してみると,実力アップ間違いなしなのではないかと期待しています。ムフフ。

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まだ定期試験から解放されません

 みなさま季節の変わり目ですがいかがお過ごしですか? ワタクシは風邪から順調に回復中ですが鼻の下が荒れまくりです。ここ2日くらいひたすら睡眠をとり,プリンだのゼリーだのを食べまくっておりましたが,夜には大量の寝汗をかいて期末レポートが締め切りに間に合わずに留年決定するというリアルな悪夢も見ました。目が覚めた瞬間,「夢か,よかった締め切りはまだだ」と思ったワタクシ。学校はとっくに卒業しているという事実を思い出すのに5秒ほどかかりました。病んでるなぁ。

 おもむろに起きてメールを開くと,学校からのメールを振り分けているフォルダーに未読メールが来ています。いやーな予感がしましたが勇気を出して開いてみると,大意次のようなメールでした。

 みなさんお元気ですか。卒業したみなさんの脳みそがとろけてやしないかと,先生は心配しています。つきましては来月からときどき試験を実施することにしました。万事お繰り合わせの上ご参加ください。範囲指定をしますからしっかり予習をしてきて下さいね。

 うっわー・・・。
 すっごくヤヴァイんですけどコレ。(涙)

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風邪を引きました

 なんだか薄ら寒いのと節々が痛むので,もしやと思って熱を測ってみたところ,やはし。どうやら風邪のようです。ワタクシの場合,鼻から来ない風邪は長引く傾向にあるのでがっくりです。風邪だと勝手に決めていますが,はしかとかヤヴァイ病気でないことを祈ります。昨日は涼しかったから寝冷えしたのでありましょうか。みなさまもお気をつけて。

 水分とビタミンをとって今日は早めに寝ますー(><)

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記帳指導のお知らせがきました

 先日税務署から無料記帳指導の案内がありましたが,ワタクシの第一希望である集合個別方式(会場のブースで個別指導)による記帳指導のお知らせがきました。税務署からと,東京国税局から指導を委託された青色申告連合会からと,2通立て続けです。

 それによると,第1回は7月中旬。開催日の中から都合の良い日時を選んであらかじめ予約を入れ,当日筆記用具,計算機,帳簿を持ってゴーであります。とりあえず仕訳帳だけ持って行けばいいのかな? あとナントカカントカ表とやらも出力してゆこうかな。当日は教材をいただけるほか,次回の日程を決めるそうです。指導は1時間。研修会の友「エスタロン・モカ」は不要でしょう。

 指定された会場は有名なお寺の近所なので,帰りに寄り道してみようかなーと思うのですが・・・暑くて断念する自分が今からありありと想像できます。何回か通うことになりそうなので,お寺見物は涼しくなるまで待つことにしたいと思います。今回はとりあえず,観光客相手の茶店で宇治金時のかき氷でも食べてまいる所存でありまーす。

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相談者の涙

 今日は地元行政書士会主催の無料相談会の当番でした。今日も先輩の先生方の横から適宜口を挟みつつ見習いであります。

 お隣の席の先輩とワタクシに割り振られた案件は至極簡単な事案で,その簡単ぶりたるや教科書の一等最初に出てくる典型事例そのまんま。条文いっちょで片がつくようなレベルで,どんな複雑な案件かと身構えていたワタクシも思わず天を仰いで神に感謝したのでした。楽勝だぜベイベー。先輩のアドバイスも1分足らずで終了です。単純な事案なのでこれ以上長くなりようがないのです。

 ところが次の瞬間,相談者が泣き出して,今までこの事案のことでどんなに心配してきたかとか,広報誌で無料相談会のことを知ったときの喜びなどを語り出し,最後に何度もお礼を述べられたのでした。いや,ホント,そんなたいしたことじゃないですからっ・・・と心の中で叫んだほど,ワタクシは恐縮してしまいました。

 アドバイスの内容にぬかりはなかったと思います。でも,無料相談会とはいえ,相談者はある程度真剣に悩んだ後に,赤の他人である行政書士にプライバシーをさらけ出す決心をして相談の予約をされるわけです。そのことを思えばルンルン気分で楽勝とか思ってしまったのは不謹慎だったかもしれません。感情移入しすぎるのも問題ですが,割り切るのもほどほどにしないと。反省。

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行政書士2名,偽装結婚加担で逮捕

 今日,所属単位会の会員専用ページにアクセスしたところ,6月19日付で入管法遵守徹底のお願いがアップされていました。日行連のサイトでも若干触れられていますね。日行連の方の記事は誰でも見ることができるページに載っていますから,その限度でご紹介することは差し支えないでしょう。

 それによると,行政書士2名が偽装結婚に加担したとして逮捕されたそうです。それって例の錦糸町の件でしょうか。ニュースを見たのは20日だから,同じ事案だとすると関与行政書士の逮捕の方が先行したのかもしれません。それで芋づる式に証拠をゲットとか・・・ありうる話かもしれません。別件だったらここ数日で何人逮捕されるのかってな話でありまして,ホントげんなりですね。トホホ。

 ・・・などと悠長に業界の堕落を憂えている場合ではないのかもしれません。偽装結婚に加担することになるという認識があった人,または,もしかしたら偽装結婚に加担することになるのかもしれないがまあいいか,と思って受任した人が逮捕されたのならある意味こちらは安心できます。でも,この逮捕された先生達,ホントに自分が何をしているかわかってたのかなぁ?

 多くの行政書士は偽装結婚はお断りというポリシーで業務を行っているし,注意もしているはずです。それでもだまされたりする人はいるでしょう。なんといっても,秋霜烈日たる正義の砦こと検察のトップ(確認したところ,トップ一歩手前でした。お詫びして訂正します)を張っていたお方ですら「だまされた,というか,かつがれた」というご時世ですからね。悪い人がいることはわかっていても,その手口を見たことも聞いたこともない人は,コロッとだまされちゃったりするのではありますまいか。ワタクシも,だまされたあげくに逮捕されちゃったらどうしよう!・・・という不安がいつもつきまとうのであります。映画「リング」で例えていうなら,呪いのビデオを見ると死ぬことはわかったが,とりあえず呪いのビデオってどんなビデオなの? 今日見たビデオは呪われてるの? 見ないようにするにはどんなところに気をつければいいの? それを教えて! という気分なのであります。

 そんなわけでワタクシは,日行連は「法令の遵守徹底」などという抽象的なお願いをするより,悪徳ブローカー等のだましや誘惑の手口を具体的に周知して注意喚起する方が効果的だと思います。というか研修会でプリントにして配って欲しかったなー。

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違法ロシアンパブ摘発

 今日ニュースを見ていたら,東京の錦糸町駅付近のロシアンパブが一斉に警視庁と東京入管により摘発を受けたそうです。短期滞在の在留資格で働いていたロシア人ホステスら49人が摘発,14人が逮捕されたとのこと。いい機会ですので推測で状況を分析してみましょうか。

 まずロシア人女性についての被疑事実。短期滞在の在留資格では収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動が禁止されています。ホステスとして稼働するのは報酬を受ける活動にあたりますのでこれは入管法19条1項2号違反ですね。刑事罰は1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは200万円以下の罰金,又はその併科です(73条)。専ら性があれば退去強制開始事由に該当します(24条4号)。この場合は3年以下の懲役もしくは禁錮もしくは300万円以下の罰金,又はその併科です(70条1項4号)。

 それからパブの経営者や就職を斡旋したブローカー,これは73条の2第1項各号のどれかに該当するでしょうから不法就労助長罪ですね。3年以下の懲役もしくは禁錮もしくは300万円以下の罰金,又はその併科です。

 次に,手続面。どうして入管と警視庁が合同で摘発したのでしょうか。これは推測ですけど,不法就労外国人は退去強制で追い払ってしまえばある意味一丁上がりです。でも パブの経営者といった関係者には日本人もきっといたはずで,日本人は退去強制はないですからねー。日本の刑事手続で処理するより仕方がありません。そこで 入管が不法就労外国人の身柄をひきとって,警察が日本人の身柄を押さえたのではないかな,と思います。

 摘発が49人で逮捕が14人となっていますが,仮に逮捕された者の中にロシア人女性が入っているのであれば,どこからその差が出てきたのかが興味ありますね。

 入管(入国警備官)による捜索は,性質的には行政調査としての臨検,捜索及び押収(31条)ですね。同様の性質を持つものにマルサのガサ入れがあります。ロシア人女性の身柄収容は,収容令書をもって行うのが原則です(39条)が,入管が捜索前にターゲットとなったパブで働くロシア人女性全員の氏名等を把握できていたとは考えにくいです。おそらく43条の「要急収容」で現場にいた不法就労ロシア人女性の身柄を片っ端から確保したのでしょう。

 警察による捜索は,刑事訴訟法の218条でしょうかね。場所を捜索して現行犯として逮捕したのか,それとも経営者について逮捕状を取ってから,逮捕の現場における無令状捜索をしたのかが気になりますが,店舗内の捜索を可能にするには場所についての捜索令状をとっておくのが安全ですから場所の捜索令状じゃないかなー。今度学校に遊びに行ったとき,先生に聞いてみよっと。

 あ,そうそう。今回の摘発を受けたパブには,就労可能な在留資格を持っていたロシア人女性が117人いました。そのうち92人が日本人の配偶者。警察は偽装結婚かどうか捜査するそうです。本件に関わった申請取次行政書士,たぶんいるんでしょうけど大変ですねー。知ってて手伝ったのなら問題外ですが,本当にすっかりだまされちゃった先生がいらしたらお気の毒様です。

 偽装結婚は絶対にお断りです,と最初に説明し,虚偽の申告はしない,偽造の書類は差し入れないと一筆取ること。書類のチェックはきちんとすること。夫と妻の両方を一人ずつ面接して詳細にチェックすること。夫妻の居宅の現地調査を行い,夫婦としての生活実態があるか調査すること。怪しい案件は引き受けないこと。どうして自分がこの案件は大丈夫だと思うのか,判断の根拠となる事実を整理しておいて,いざというときにキッチリ警察に説明できるようにしておくこと。説明がつかない案件は,受けるべきではないでしょう。日配への資格変更の申請取次をする場合には,最低でもこれくらいは徹底しておかないと,いつ何が起こるかわかりませんね。申請取次をなさる先生方にもいろいろなポリシーの方がいらっしゃいますが,ワタクシは安全第一,信用第一で業務を行ってゆきたいと思います。


 

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マイブーム

 最近ドがつくほどハマっている食べ物があります。

 それは,ミニストップのアップルマンゴーパフェ。295円です。ミニストップには店内ポストがあって,普通のポストより家から近いので,郵便物を出しにちょくちょく行くのですが,そんなある日,何となく試してみて以来病み付きになりました。

 アップルマンゴーというのはアップルとマンゴーのことではなくてですね,平たくて黄色いフィリピンマンゴーとの比較において,よりこう・・・ボテッとしていて赤っぽかったり緑っぽかったりするマンゴーがありますでしょ,フィリピンマンゴーが1個150円くらいのときに隣で400円とかしてるヤツ,アレのことであります。たぶん。

 容器の下の方に,完熟のマンゴーの切り身がごろごろごろごろっと配置され,その上にミニストップ特有の練乳風味バニラソフトクリームがあって,てっぺんにまたマンゴーがたっぷり配置されていてマンゴーピューレのソースがかかっております。

 ワタクシはマンゴー,マンゴスチン,ランブータン,といったトロピカル系の果物が大好きでして,このアップルマンゴーパフェを食べると簡単に至福の境地に至ります。このマンゴー,必ず完熟で,絶対に酸っぱいってことがないので安心して295円を投資できるわけなんですが,どうやってあの品質を確保しているのでしょう。青果市場で,あと一歩で傷んでしまう!というところを安く買ってきて冷凍しているのか,現地で冷凍したのを大量に輸入しているのか。興味深いところです。

 とかなんとか言いながら週に3回はミニストップにアップルマンゴーパフェを食べに行くワタクシ。ちょっとハマり過ぎでしょうかねー。でも毎日じゃないところが大人でありましょう? ウフ♪ 季節限定なので,食べられるうちに食べておかないと,と思っちゃうんですよねー。うーん。今日は食べてないから,明日また食べに行くぞー♪

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消費者契約法と特定商取引法(5) 消費者の逆襲

 消費者契約法と特定商取引法についての連載5回目の今回は,消費者の逆襲!ということで業者をギャフンと言わせる方法について考えてみたいと思います。実際に実行することは多くないとは思いますが,やろうと思えば何ができるのかを把握しておくことは重要です。どうしてかというと,これが把握できているかどうかは,内容証明の文面にもにじんでくるからです。悪徳業者は当然わかっているでしょうから,内容証明を読んで「あ,こいつはこれ以上のアクションは起こしてこないな」と思えばおそらく代金の返還請求に応じることはないでしょう。また逆に,「これは返金しないとヤヴァイぞ」と思わせることができれば,返金に応じる可能性も出てきます。

 そこで内容証明や民事訴訟以外にどんなことができるのかを考えるわけですが,そこで消費者契約法と特定商取引法の性格の違いというのが際立ってきます。

 まず,消費者契約法は,消費者を保護するために,一定の不当条項の無効と,一定の場合における消費者の契約取消権を定めたもので,あくまで民事上の権利関係について定めたものです。

 これに対し,特定商取引法は経済産業省が業者を取り締まるもの,いわゆる業法です。以前は取締り色が濃厚で,消費者保護色が薄いとの批判が多かったのですが,改正によりクーリングオフや取消権などが加わったおかげで,今ではだいぶ消費者保護も手厚くなっていますね。業法という性格からうかがえるように,特定商取引法に定められている禁止行為を行うと行政処分や刑事罰の対象となります。つい先日にも,某大手英会話スクールが特定商取引法違反で経産省から一部業務停止処分をくらっていたのをご記憶の方も多いと思いますが,アレが行政処分です。

 それでは本件についてはどんな行為が行政処分や刑事罰の対象となるでしょうか。まず,この消火器販売業者,「消防署の方から消火器の点検に来ました」という口上で名乗りを上げています。勧誘に先立って氏名・名称や勧誘目的である旨を明らかにしていませんね。特定商取引法3条違反です。次に,「法改正で消火器設置が各戸に義務づけられています」というのは,契約締結を必要とする事情に関する事項についての不実告知で,6条1項違反です。さらに,交付した書面に記載事項不備があれば(クーリングオフが使える場合になります)4条違反にもなります。これらの違反は業務停止命令及び公表の原因となります(8条)。

 刑事罰については,まずその行為者(販売員)について,6条1項違反が2年以下の懲役又は300万円以下の罰金,又はその併科(70条1項1号)。4条違反について,100万円以下の罰金(72条1号)。行為態様が違いますから両者は併合罪なんじゃないかと思います。

 特定商取引法には両罰規定がありますから,販売員の使用者である法人又は個人にも罰金刑が科されます(74条2号)。

 さらに,業務停止命令に違反した場合には,その行為者(販売員)について,2年以下の懲役又は300万円以下の罰金,又はその併科(70条1項2号)。使用者である法人・個人には3億円以下の罰金が科されます(74条1号)。ちなみに経産省はこの懲役2年を5年に強化する法改正を目指しているそうです。

 そして,特定商取引法の他にも,本件では詐欺罪(刑法246条)の成否が問題になるでしょう。10年以下の懲役です。民事では行為者の詐欺の故意を消費者が立証する必要がありました。刑事事件ではその立証をするのは検察官です。警察や検察は強制処分をバンバン使えますから,民事で詐欺取消が使えなくても刑事で詐欺罪が成立する可能性はあります。

 ・・・とまあこんなところでしょうか。どうでしょう。悪徳業者がいやがりそうな制裁が揃っておりますね。もちろん経産省や警察の公権力を召喚するにはそれなりの儀式ってものが必要です。エロイムエッサイム,我は求め訴えたり!・・・というわけで経産省を召喚するには特定商取引法60条に基づく申し出がよいでしょう。財団法人日本産業協会が申し出に関する助言・指導や申し出を受けた調査を行っています。なお,都道府県や市町村の条例で,同様の申し出制度が定められていることもあるらしいですから,調べてみる価値があるかもしれません。警察には被害届と告訴ですかね。

 ワタクシでしたら,内容証明にはおきまりの「いついつまでにお支払いなき時は,法的手続を検討させていただきます」ではなく,「いついつまでにお支払いなきときは,民事・刑事・行政上の手続を検討いたします(依頼者がやる気満々のときは,「手続をとらせていただきます」)」と書くつもりでおります。特定商取引法を読んだことのある業者だったら何のことだかわかることでありましょう。わかんなかったらこの際身を以て体験していただくのがベストであるようにも思われます。依頼者様の胸三寸ですがね。

 以上で消費者契約法と特定商取引法の連載はとりあえず終わりです。全部お読みになったかた,お疲れさまでした!

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消費者契約法と特定商取引法(4)

 消費者契約法と特定商取引法についての連載4回目の今回は,依頼の実現方法について考えてみたいと思います。

 まず,依頼事項をもう一度確認しましょう。契約をなかったことにして消火器を返品し,支払った3万円の返金を受ける,この2つです。

 契約をなかったことにするツールは前回検討しました。今日はとりあえずクーリングオフと特定商取引法による取消について,その具体的使用方法を見てみましょう。

クーリングオフ(特定商取引法による解除)

 クーリングオフは発信主義ですので(特定商取引法9条2項),その理屈から考えれば,ハガキにでも書いて出せばオッケーなんですが,行政書士が仕事として受任する場合は,一応プロなんですから訴訟に備えて発信したことを立証する証拠を残しておく必要があります。一般的には簡易書留,配達記録,配達証明付き内容証明が用いられるようですが・・・配達記録とか配達証明をつけるのはなぜなんでしょうね。発信主義ということは到達を立証する必要はないということですし,内容証明で出しておけば,中身と発信日付は証拠に残るように思います。でもなにか他の理由があるかもしれませんので,今度学校に行ったら先生に聞いてみることにします。

特定商取引法による取消

 特定商取引法による取消は,9条の2を見ると,発信主義をとるという文言がありませんので,原則通り到達主義のようです。ということは到達まで立証する必要がありますね。そこで配達証明付き内容証明なんかが使われることになるようです。悪徳業者は内容証明は受取拒否することがあるようですから,内容証明に加えて普通郵便を併用したり,ファクスで内容証明と同内容の文面を流して送信記録をプリントアウト,さらに電話して,「×月×日に消火器を買った誰それ(の委任を受けた某)です,今日はえーっと○月○日の,○時○分ころ,契約を取消す旨のファクスを流しましたが届いていますか」と確認し,通話内容を録音しておくのもいいんじゃないかな,と思います。

 次に,依頼事項その2である代金の返金です。本件のミソはすでに代金を支払済であるということですね。お金をまだ払ってなければ内容証明でおしまいにできるのですがねー。相談者の関心事はどうやって返金させるのかです。内容証明を送って業者が素直に返金すればそれでよし。でも悪徳業者なら無視してくるかもしれません。そうしたらどうしましょう。

 少額訴訟なんか,いいかもしれませんね。訴額3万円なら裁判所に払う手数料(印紙代)は千円です。本人訴訟でも裁判所がけっこう親切にしてくれるらしいですからチャレンジしてもいいかもですね。しかーし! 相談者にそんなガッツがあるとは限りません。司法書士や弁護士を頼むとなると・・・お金かかりますよね。

 さて同業者のみなさん。クーリングオフや内容証明の報酬はいくらに設定しておられますか。3万円の回収のために行政書士に内容証明を依頼し,さらに返金に応じない業者を訴えるために司法書士を頼めば,費用倒れはまず間違いないところです。今回の相談者には,そこのところを依頼を受ける前によーく説明する必要があるでしょう。行政書士に内容証明を頼んでも,代金が返金されるかどうかはわからないということだったら,そもそも依頼しないという選択肢だってあるわけで,依頼を受ける前にお金が返ってこない可能性を黙っていたのではそれこそ「不利益事実の不告知」なんじゃないでしょうか。

 依頼を躊躇する相談者に,相談者が自分でできそうなクーリングオフの仕方を教えてさしあげるかどうかは,相談を受けた行政書士のポリシー次第ということでしょうか。ワタクシでしたら,自分でやるから教えてという方には相談料をいただいてお教えします。自分で書くのは面倒だけどお金払うのもいや! どうしても無料で書いてほしい! という方でしたら最寄りの消費生活センターをご紹介(消費生活センターが無料で書いてくれるかどうかはわかりませんが,どうしても全て無料でということでしたらここに相談するしかないように思います)。激安訴訟をお望みでしたら法テラスをご紹介しようと考えています。

 次回は,費用倒れなんか気にしない,あの業者チョーむかつくからギャフンと言わせてやりたい!というヒジョーに応援しがいのある依頼者が現れた場合のフルコースを考えてみたいと思います。

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消費者契約法と特定商取引法(3)

 消費者契約法と特定商取引法の連載3回目の今回は,売買契約に無効・取消・解除事由が併存する事案において,どれを使うのが有利なのかということを考えてみたいと思います。念のためお決まりのセリフを申し上げますが,これはあくまでワタクシの私見ですから,鵜呑みにしてヘタ打ってもワタクシは責任負いません。

 えー,結論から申しますと,ワタクシはそれぞれのツールの要件・効果を吟味して,①主張・立証が容易で,②効果がオイシイもの,という観点から選べばよいと思います。

 ①については訴訟を前提として要件事実から考えてゆくべきじゃないでしょうかね。もちろん,行政書士は訴訟にはノータッチですが,仮に後で相談者が訴訟を決意して弁護士や司法書士に相談した際に,「最初から(弁護士や司法書士に)相談してくれれば○○できたのに,先に行政書士が××したから(あるいは××しなかったから)○○ができなくなってしまった」なーんてことになったら大変ですから,後のことも考えて行動する必要があります。どんなに大変かというと,相談者にご迷惑かけて申し訳ないというレベルの問題にはとどまらなくてですね,受任者の善管注意義務違反ということで相談者から債務不履行に基づく損害賠償請求をされる可能性があるということです。金額が大きいときには特に安易なアドバイスは慎まなければなりません。

 さて,では前回ピックアップした無効・取消・解除事由の要件事実を本件に即して検討してゆくことにしましょう。具体的には支払済代金の返還請求訴訟を行うときに,原告となる相談者が主張立証すべき事実,すなわち相談者がその証拠を出す必要がある事実です。したがって,これが少ないほど相談者に有利ということになります。

 錯誤無効

 通常は①意思表示に錯誤があること,②錯誤が法律行為の要素に関するものであること,の2つが要件ですが,本件では動機の錯誤の場合なので,③動機が表示されていることも必要です。

 詐欺取消

 ①詐欺の故意,②詐欺がなされたこと,③詐欺により表意者が錯誤に陥ったこと,④錯誤により意思表示がなされたこと,⑤取消の意思表示です。①は「法改正がなかったとは知らなかった」と言い張られると面倒です。知らないと言っているが本当は知っていたはずであるという結論を導ける証拠を相談者が出す必要があります。

 消費者契約法による取消

 ①契約が消費者契約であること,②契約締結の勧誘に際し,重要事項についての不実告知があったこと,③表意者がその内容を事実であると誤認したこと,④表意者が誤認に基づいて意思表示したこと,⑤取消の意思表示です。②の重要事項の不実告知と言えるかどうかビミョーということは前回述べました。

 特定商取引法による取消

 ワタクシが参照した要件事実マニュアルには載っていませんでしたが,消費者契約法とパラレルでしょうから,①契約が特定商取引法の対象であること,②契約締結の勧誘に際し,重要事項についての不実告知があったこと,③表意者がその内容を事実であると誤認したこと,④表意者が誤認に基づいて意思表示したこと,⑤取消の意思表示,であると考えられます。

 ちなみに特定商取引法における「重要事項」は,商品・役務・権利に関すること,価格,クーリングオフ等の制度に関すること,契約の必要性,業者の信用性,契約の動機付けも含まれます(9条の2第1項1号,6条1項各号)。消費者契約法の「重要事項」よりも広い概念のようですね。本件では契約の必要性についての不実告知といえるでしょう。「法改正で設置が義務づけられているなどと言った覚えはない」とか言われちゃうと面倒ですが,業者の故意を立証する必要がない点で詐欺の立証よりは楽でしょう。

 特定商取引法による解除(クーリングオフ)

 要件事実マニュアルによれば,①クーリングオフの意思表示を発信したこと。これだけです。ワタクシとしては,消費者契約法のときのように,②契約が特定商取引法の対象となることも含まれるんじゃないかと思うのですが,なんで書いてないのかな。まあ,②の主張・立証は簡単ですからどのみちあんまり問題じゃないようにも思います。

 ・・・さて,このように考えてみると,本件ではクーリングオフ(書面に記載不備があれば),錯誤無効(表示があれば),特定商取引法による取消,詐欺取消,の順に主張・立証が容易であるように思われます。消費者契約法による取消はビミョー。どれが使用可能かは事案ごとに異なるでしょうから一般化はできませんが,クーリングオフは確かに便利ですねー。

 効果に関しては,契約をなかったことにする効果はどれを使っても出てきます。クーリングオフの場合だと業者に商品の引取義務が生ずるほか,業者から損害賠償や違約金の支払請求ができなくなる点でさらに有利でしょう(特定商取引法9条3項,4項)。

 次回は,依頼事項の実現に向けての具体的手段の検討をしたいと思います。

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消費者契約法と特定商取引法(2)

 えー,前回に引き続いて消費者契約法と特定商取引法について,事案を見ながら考えたいと思います。

 まず,現状の分析をしましょう。本件では相談者は個人で,契約の相手方は消火器販売業者ですから,この契約は消費者契約法の適用を受けます(消費者契約法2条)。また,消火器の訪問販売ですから,特定商取引法の適用も受けます(特定商取引法9条,政令指定商品19)。もちろん,民法や商法の適用も受けることになります。それぞれ別の制度ですので,どちらが優先というわけではありません(消費者契約法11条)。

 そして,本件では目的物が消火器1台,代金が3万円の売買の合意が成立しているので売買契約の成立が認められ,相談者が代金3万円を業者に支払って消火器を買った時点で,契約は目的を到達して終了しています。

 次に依頼事項の確認ですが,「消火器を返品して,お金を取り戻したい」,つまり,①消火器の売買契約をなかったことにしたい,そして②支払済代金の返還請求をしたい,というものです。

 成立した契約がなかったことになるツールには,無効,取消,解除があります。論理的にはこの順番で考えることになりますね。ちょっと話はそれますが,たとえば,断るつもりで「結構です」と言ったら「結構ですと言ったから商品を送りました。代金払って下さい。」と言われた,というこれまたベタな事案では,そもそも契約が成立していないと考えられるので,契約不成立が一番最初になると思います。

 では,本件の消火器の事案で無効・取消・解除の事由にはどんなものが考えられるでしょうか。

 錯誤無効(民法95条)

 法律上,消火器設置の義務があると誤信し,その誤信に基づいて買った。・・・「消火器設置義務」は,いわゆる動機の錯誤ですね。目的物や値段等の取引条件自体には錯誤がありません。判例によれば動機の錯誤も表示されれば意思表示の内容となるので,表示されていて且つ要素性があれば錯誤無効となりえます。要素性については,まあ義務がないならフツー買わないと,いえなくもないかな・・・まあ,言えるでしょう,たぶん。「設置が義務だから買う」ということを言ったのかどうか,買った当時の状況を詳しくうかがって確認する必要がありそうであります。

 詐欺取消

 法律上,消火器設置の義務はないにもかかわらず,義務があるとの虚偽の事実を告げられ,それを真実であると誤信したことにより買った。

 消費者契約法による取消

 法律上,消火器設置の義務があるとの虚偽の事実を告げられ,それを真実であると誤信したことにより買った。・・・しかし,ワタクシは本件で消費者契約法が使えるのかちょっと疑問です。消費者契約法の不実告知の対象となる重要事項は,契約の目的である物や役務の質・値段等の取引条件に関するものに限定されているところ,消火器販売義務があるかどうかは消火器の質・値段等の取引条件に影響する事実ではないと考えられるからです。今度学校に遊びに行く用事があったら図書館でコンメンタールを見てこようっと。

 特定商取引法による取消

 法律上,消火器設置の義務があるとの契約締結を必要とする事情(法6条1項6号)の不実告知があり,それを真実と誤信したことにより買った。

 特定商取引法による解除(クーリングオフ)

 本件は特定商取引法の訪問販売に該当し,消火器は政令により指定された商品である。かつ,契約内容を記載した書面の交付を受けた日から起算して8日以内である。・・・消火器のクーリングオフ期間は8日です。初日算入なので要注意。本件では「10日前」となっていますが,あきらめるのはまだ早い! 契約書に特定商取引法の要求する必要的記載事項が全部書いていなければ,特定商取引法のいう「書面の交付」があったとは認められませんから,クーリングオフ期間は進みません。つまり,まだクーリングオフできるということです。そこで,相談者に契約書を見せてもらって,必要的記載事項が書いてあるかどうか,ひとつひとつチェックする必要がありますね。

 ・・・とまあ,このぐらいでしょうか。先にも述べましたが,特定商取引法や消費者契約法に優先・劣後関係はありませんから,相談者にいちばん有利なものを使って契約をなかったことにすればよいわけです。

 それでは,上述したツールの中で,どれが相談者にとっていちばん有利なのでしょうか。その判断基準は何なのでしょう。次回はそこらへんについて,ワタクシの私見を述べてみたいと思います。

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消費者契約法と特定商取引法(1)

 今日は,先日から勉強している消費者契約法と特定商取引法の使い分けについて,考えたことを書いてみようと思います。かなり細かく考えたので,すごーく長くなってしまいました。そんなわけで連載ということにして,今日は第1回目でありまーす。

 抽象論だけ述べてもつまんないですから,ひとつベタな設例を使ってみましょう。同業者の読者様はご自分が相談を受けたつもりになって,相談者に確認しなくてはならないのはどんな事項か,どんな解決策が可能で,どのようにアドバイスをするのか,考えてみて下さい。そのアイディアをコメント欄に晒していただけると,第2回目以降の記事に興味がわくのではないかと思います。

 10日前,「消防署の方から消火器の点検に来ました。」という人が自宅に来ました。「うちには消火器はありませんけど」というと,「法律の改正で消火器の設置が各戸に義務づけられています。まだ設置していないなら購入して下さい。」と言われたので,義務なら仕方がないと思い,1台3万円で購入することにし,現金で全額支払いました。でも後で契約書を読むと,消防署ではなく「株式会社○○商事」となっているので,消防署に電話したら消防署は消火器販売など行っていない,消火器設置の義務もないと言われました。こんなの詐欺じゃありませんか。それに値段も高すぎると思います。消火器を返品して,お金を取り戻したいのですが,お願いできますか。

 えー,ヒントというか,参照した法律は,民法,商法,消費者契約法,特定商取引法(政令含む)です。特定商取引法にある,政令の定める指定商品・役務一覧表は,国民生活センターのウェブサイトに見やすいものがのってます。

 参照した文献は,以下の通りです。

消費者契約紛争ハンドブック Book 消費者契約紛争ハンドブック

著者:村 千鶴子,円山 茂夫,角田 真理子,山本 豊
販売元:弘文堂
Amazon.co.jpで詳細を確認する


改正特定商取引法のすべて―Q&Aこれで安心 Book 改正特定商取引法のすべて―Q&Aこれで安心

著者:村 千鶴子
販売元:中央経済社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

要件事実マニュアル〈上〉 Book 要件事実マニュアル〈上〉

著者:岡口 基一
販売元:ぎょうせい
Amazon.co.jpで詳細を確認する

要件事実マニュアル〈下〉 Book 要件事実マニュアル〈下〉

著者:岡口 基一
販売元:ぎょうせい
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特定商取引法と消費者契約法の勉強をしました

 今月も無料相談会の当番になっているワタクシ。そろそろ予習をしなければなりません。事前に予約を入れて下さっている相談者の場合,受け付ける段階で相談内容の概略をうかがうので予習ができるのですが(たいてい相続・遺言関係です),怖いのは飛び込みの相談者です。よく知らない分野で,しかも急ぎ案件だったりしたら,最悪の場合まったくお役に立てないという状況も生じます。というわけで,多少は心の準備をしておくべく,今日は急ぎ案件の代表選手であるクーリングオフ関連の勉強をしました。

 クーリングオフといえば特定商取引法なのですが,もうひとつよく使われるのが消費者契約法です。というかワタクシは学校の課題では消費者契約法のほうをよく使っていました。

 この二つの法律はどういう関係になっているのか,今日のところはまだイマイチはっきりしませんでした。なんだかかぶっている部分があるような気がして混乱しています。イメージ的にはまず特定商取引法でクーリングオフを検討して,だめなら消費者契約法という感じなのですが・・・。どんな場合にどんなツールが使えるのか,具体例を思い浮かべながら勉強を続行しようと思います。

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税務署よ,お前もか

 昨日,ワタクシのところに税務署からお手まみが届きました。何でありましょう,ワタクシまだゼンゼン稼いでないから査察しても無駄でありますっ!と意気込んで開封すると,無料で記帳指導するから申し込んでねー,という案内と申込書でした。察するに,開業届を出したばかりの人にはいい加減な帳簿をつけている商売の素人もいるだろうからトンデモ青色申告が出てくる前に指導しておこうというご配慮でありましょう。いやはや,ありがたいことです。早速会場に帳簿を持ち込んで,チェックしていただきながら指導も受けるというコースを申し込んでみようと思います。

 そんなわけで,今までの帳簿ファイルを見直してみましたところ,やはり一部いい加減な処理が目立ちました。頑張って細かく付けようと思ったけれどもあっさり挫折いたしました,ハイ。こんなものを税理士の先生にお見せするわけにはいきませんので,チョー楽チンだけれど一応正確という事業主貸借勘定で全て片付ける記帳方式で全部処理し直しました(以前の記事でご紹介している,「図解 フリーランスのための超簡単!青色申告 」という本に詳しいやり方が載っています)。わかる,わかるぞ,フハハハハ!という感じで作業終了。振替伝票の貸方は事業主借でほぼ固定なので,ある意味間違いようがないぐらい簡単でした。勉強のためにフツーの記帳をするなどと殊勝なことを言わず,最初からラクチン方式で記帳しておけばよかったなー。

 そして今日,申込書を再読していたところ,封筒の宛名に大変な誤記があることに気がつきました。

 ガブリポンギョウセイショジムショ ガブリポンチョコ サマ

 こっ・・・これは・・・。最近はやりの,フリガナを間違って登録してしまったため,正しい読み方で検索するとヒットしないという例の問題とパラレルなのではありますまいかっ!! 一応税務署に提出した届出の控えを確認してみましたが,そちらには間違いはありません。♪ワーターシーは,やってないー,けーっぱーくーだー,であります。

 それにしても行政処理事務所ってなんでしょうねー。スゴいネーミングであります。「法律事務所」のパチもんとして一部業界で受けが悪い「法務事務所」よりよっぽどぶっ飛んでおります。行政を処理している事務所って,お役所のことじゃありません? これ,ほっとくとどうなるんでしょう。いっそのこと,名乗ってみましょうか,がぶりぽん行政処理事務所。なんかどこかのお役所に懲戒請求されちゃいそうでスリル満点な響きであります。

 ワケわからんちんな呼ばれ方をしてヒジョーに心が傷ついたとかなんとか言って,国賠請求してみようか等々,しばしダークな考えを巡らしてみましたが,このネタを使って得をするようなグッドアイデアも出てきませんでしたので,申込書を返送する際の送り状に「なんかフリガナが間違ってるみたいなんで,直しといてください・・・」という趣旨の一文を入れておこうと思います。まあ,税務署も中の人は人間ですからねー。ブツブツ。


図解 フリーランスのための超簡単!青色申告 Book 図解 フリーランスのための超簡単!青色申告

著者:塚田 祐子
販売元:ゴマブックス
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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事務所開きにおよばれしました

 昨日はこのブログからもリンクを張らせていただいている,東京の行政書士・社労士のドン・キホーテさんこと小野先生の事務所開きパーティーにおよばれしてまいりました。Okeiさんやチャイコさんもいらっしゃっていて,話が弾みました。

 いろんな方々がおいでで,とても素晴らしいパーティーでした。事務所も見学させていただきました。瀟洒なマンションの一室で,機能的でオシャレ。ステキとしかいいようがないです。ワタクシも早くああいう素敵な事務所を持てるようになりたいものであります(遠い目)。

 パーティーの途中で斉藤・アンジュ・玉藻さんのバイオリン・コンサートがありました。曲目はグノーのアヴェ・マリア,ビーバーのロザリオ・ソナタ,バッハのシャコンヌ,あともう一曲はみなさまもご存知の浜辺の歌でした。本当に素晴らしい演奏と音色で,久しぶりに鳥肌が立つ程の感動を覚えました。ああ,幸せだなーっ,生きててよかった!!・・・としみじみ思いましたので,きっと会場ではロザリオ・ソナタのご利益により天使様が幸せを大盤振る舞いしていたに違いありません。小野先生,すばらしいパーティーに招待して下さって本当にありがとうございました!

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届出済証明書が届きました

 待ちに待ってた申請取次届出済証明書(いわゆるピンクカード)がついに!簡易書留郵便で届きました! これでようやく入管業務を開始する体制が整いました。

 めでたく申請取次の資格が得られたことと,今持っている名刺がだんだん少なくなってきたこともあって,今日は新しい名刺を注文しました。

 今ある名刺は名前の読みがなだけローマ字で,あとは全部日本語なのですが,ワタクシの所属支部で,入管業務を専門にされている先生が,名刺には英語表記を入れておいた方がよいとアドバイスをくださったので,新しい名刺はデザインを地味目にして日本語・英語表記をてんこもりにしてある和洋折衷名刺にしてみました。表が日本語,裏が英語っていうのが一般的なんですけど,そうするとお値段が倍になるので両方表にもりこんだというセコさ大爆発の名刺であります。

 さて,あとはいつ依頼が来ても大丈夫なように,Adobe Acrobatでフォームを準備したり,マニュアルを作っておかなければ。なにごとも準備がけっこう大変ですね。

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中国企業との契約と仲裁合意

 今日は昨日の記事に引き続き,中国企業との契約書における管轄の合意について考えてみます。

 昨日は,中国企業との契約書で準拠法と裁判管轄を日本に持ってきても,実際に中国企業側に債務不履行が生じた場合に執行できなくなるんじゃあるまいか,それならどういう規定を契約書に置いておくべきなのか,ということを書きました。

 それでですね,ワタクシの私見といたしましては,この場合は仲裁合意を契約書に置いておくべきであると思います。仲裁というのは裁判外紛争処理手続のひとつで,「当事者が仲裁人による仲裁判断に服することを合意し,それにより進められる手続」をいいます。訴訟と違って当事者の合意がないと始まりませんが,いったん仲裁判断が示されると,当事者はそれに拘束されます。つまり仲裁判断は強制執行をしてもらうためのチケットである債務名義としての効力を有しているのです。

 でも昨日の話の流れからすると相互の保証がいるんでしょ,中国と日本には相互の保証はないんじゃないの,とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。でもあるんですネそれが。

 日本と中国はともに「外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約」,通称「ニューヨーク条約」を批准しています。仲裁合意に問題がなければ,公序の問題が生じでもしない限り,お互いに仲裁判断を承認・執行しなければなりません。

 さてではその仲裁合意とやらを契約書の中に入れるには,どんなことを書いておけばよいのでしょうか。中国での執行を視野に入れて,中国法で要求している要件を検討してみますと,まず合意自体の有効要件として,①専属管轄の範囲外であること,②実質的な関連性があること,③渉外契約または渉外財産権益紛争であることが必要です。これが満たされないと日本でも中国でも執行ができなくなります。これらの条件が満たされているとして,形式的要件としては,①仲裁請求の意思表示,②仲裁事項,③当事者が選定する仲裁委員会,の3つが必要的記載事項となっています(中国仲裁法16条2項)。

 今ネットで確認してみましたら,2006年に中国の最高人民法院が仲裁合意について司法判断を示しており,仲裁合意は書面でなされる必要があるが,書面には電報や電子メールを含むこと,仲裁委員会の選定に関する合意は,仲裁機構を特定できる程度に明確であることを要するが,仲裁機構の特定に支障がなければ名称に誤記があっても有効である,などといった内容で,今後中国の下級裁判所もこの判断に従って運用がなされていくものと考えられます。

 そんなわけでですね,みなさまの中で中国ビジネスをやっていこうとお思いの方は,信頼できる仲裁機構をあらかじめ選んでおいて,中国企業との契約締結交渉では紛争が生じた場合はそこに仲裁を頼むという合意を取り付けて,契約書に仲裁合意の規定を盛り込んでおかれたらよろしいのではないか,と思うわけであります。

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中国ビジネスの契約書と管轄合意

 今日は,入管業務の派生系である,事業協同組合を作って研修生・実習生を海外から招聘する業務について勉強しました。その際,中国の送り出し機関と日本の事業協同組合の契約書サンプルを見たのですが,ちょっと疑問に思ったことがあるので考えたことを書こうと思います。

 えーとですね,その契約書サンプルには,最後の方に「本契約の準拠法は日本法とする。甲と乙との間に紛争が生じた場合は日本国東京地方裁判所を管轄裁判所とする。」みたいな一文が入っておりました。この手の準拠法の合意と管轄合意は国際間の契約ではよく見られます。もちろんいつも日本法の東京地裁というわけではありません。外国法が準拠法とされることも,管轄が外国の裁判所になることもあります。

 そうはいっても日本人なら日本法での紛争解決には慣れているし,日本の裁判所にしてもらえれば近くて便利。それに日本の裁判官はえこひいきしないので安心される方が多いんじゃないでしょうか。だからこの契約書には「日本法の東京地裁」という条項が入れられたものと推察されます。契約締結に向けた交渉では基本的にお金を出す方が立場は強いですからね。

 しかし相手が中国企業の場合,このような条項を入れてみたところで,果たして実効性があるのかどうかワタクシは疑問に思います。この条項が役に立つシチュエーションを考えてみましょう。日本側はお金を払った。にも関わらず中国側が契約上の債務を履行しようとしない。解除だ損害賠償だ,ということで,契約書に記載の通り東京地裁に訴えたとしましょう。管轄が認められ,めでたく勝訴判決が得られて確定したとして,次に強制執行してもらわなければならないわけですが,その中国企業が日本国内に財産を持っているとは限りません。持っていたら,話は簡単なんですけどね。執行して終わりです。

 さて,ではその中国企業が中国にしか財産をもっていないときはどうするか。その判決を中国で執行してもらえばいいんじゃないの,とお思いになる方も多いと思います。でもそれは無理なんです。

 判決の執行というのは国家主権の作用ですから,外国の裁判所が出した判決を国内で執行するには,どの国も一定の条件をおいていて(日本の場合は民事訴訟法の118条です),その国の裁判所がそれを承認しないと執行してもらえないことになっているのですが,そこに必ずと言ってもいいほどよく出て来るのが「相互の保証」という条件です。つまり,中国の裁判所としては,中国の判決を日本の裁判所が承認して執行してくれるなら,日本の判決を中国で承認・執行するのにもやぶさかではないが,日本が承認してくれないならウチも承認する義理などないね,というわけです。ここまで説明するともう見当がつくのではないでしょうか。そうなんです,日本と中国の間に,相互の保証はありません。日本の裁判所が出した確定判決は,中国では紙切れ同然。ハイ残念でしたお帰りの飛行機はアチラー,というわけであります。

 じゃーどうすればいいの,ということはまた明日書こうと思います。でもあくまでワタクシの私見ですから,鵜呑みになさらないで下さいね。

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会社法の条文に無理矢理にでも親しむには

 えー,読者様の中には会社設立業務なんかもやっていきたいとお思いの方々もいらっしゃることと思いますが,会社法の勉強,進んでますか。会社法の条文,多いですねー,複雑ですねー,読みにくいですねー,かったるいですねー,やってらんないですねー,他にいろいろやることがあるんですよねー,ということで条文の読み込みはやってません,なーんて方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。お気持ちはよくわかります。

 ワタクシも学校ではなかなか会社法の条文読み込みの時間がとれませんでした。でも今日ご紹介する秘策を敢行することで,試験前の1週間で「ああ,その話は,たしか○○条あたりに」と見当がつくようになりました。

 では早速,「がぶりぽんチョコがお送りする,不勉強なアナタのための会社法速成読み込み講座」をお楽しみください。

(用意するもの)
六法(できれば判例付きのもの)。蛍光ペン2色。赤ボールペン(細字推奨)。定規(本屋さんでくれる栞でも可)。岩波新書の神田秀樹著「会社法入門 」。ベストセラーになりましたから小さい本屋さんでも見つかると思います。薄くて小さい新書です。お値段はラッキーセブンの777円。

 えー,神田先生というのは商法学者で,その専門書は法学部や法科大学院でテキストとして大変人気があります。ご紹介した新書判は一般読者向けの会社法解説本なのですが,その特徴に「条文の指摘が一切ない」という点があるのです。中身は条文の引用そのまんまという部分がほとんどを占めているにもかかわらずです。この特徴を利用して,短時間で会社法の条文をマスターしようじゃないか,というわけであります。ムフフ。

 さて,神田先生の「会社法入門 」を入手されたら,早速読み始めてみましょう。蛍光ペンと赤ペンをご用意ください。さて,ここで一つ前提がございます。神田先生が書いていらっしゃる事は,基本的に全て条文に根拠があるのです。すなわち,本に書いてある事と同じ事が,会社法の条文の中にも書いてあるわけです。それを会社法の条文の最初にある目次を頼りに,探していきます。目次を見ないと際限なく時間がかかってすぐに挫折しますから注意して下さい。法学部の学生さんでも目次を使わない人が多いんですけど,法律の目次は非常に便利なツールです。便利なうえに条文構造がわかるようになりますから一石二鳥なのであります。

 実際に例を挙げて説明しましょう。5ページに「株式会社は,会社法によって法人とされ,」というフレーズが出てきました。会社法の中に株式会社は法人だよと言っている条文があるはずですからそれを探します。こういう当たり前なことを書いてある条文はたいてい最初の方でしょう。

 見つかりましたか?

 見つかったらですね,5ページの「株式会社は,会社法によって法人とされ,」というフレーズに,蛍光ペンその1で傍線を引きます。定規を使ってもいいですし,栞を定規代わりにするのもおススメです。栞を使う場合,右側を蛍光ペン1用,左側を蛍光ペン2用,と分けておいた方がペン先に他の色のインクが混ざらなくてよいと思います(←経験者は語る)。そして,その線の終わりのところに,赤ボールペンで小さく「3」と記入します。3条という意味です。ちなみに項はローマ数字,号は「①」のように○囲みで略すのが普通です。

 最初の部分のうち,歴史の話は雑学として興味のある方だけお読みいただければ結構だと思います。改正の経緯もまあ飛ばしていいかな。全部読み終わってから戻ってくると,ふーん,なるほど,と思えるようになってると思いますが,今はいいでしょう。

 それから,ヒジョーに重要な判例が紹介されている部分では,蛍光ペン2を使います。実務は条文と判例で動いておりますが,根拠が条文なのか判例なのかを意識しておく必要があるからです。そして判例の部分では,判例付き六法に必ず紹介されていますから,サイテーション(裁判所と判決年月日)と,何条のところに紹介されているかを記入します。これにより,それはどの条文の解釈について問題となったのか,ということがわかります。

 この調子で,ガンガン進めて下さい。1日30ページとか,50ページとか,ノルマを決めて読み進め,毎日やるのがコツです。この作戦で重要なのは勢いをつけて集中して取り組むことなのであります。ちなみに1日50ページはかなりキツイです(←経験者は語る)。

 そうすると,何十回も同じ条文を見ることに気づくことでしょう。そして読みながら,だんだん「ああ,またあの条文だな。」と見当がつき,条文を探すスピードがぐんぐんアップしてくることにもお気づきになると思います。これで1冊突貫工事を終えると,概ね会社法の条文配置がつかめるようになっていると思いますよ。

 ちなみにワタクシ,その後半年程ほったらかしておりましたところ,お約束のように全て忘れてしまいましたが,2回目にチャレンジしたところ,かなりあっさりと昔の感覚を取り戻すことができました。回数をこなして覚えたことは忘れにくいし,忘れても思い出すのが簡単です。決して無駄にはなりませんから,ひとつお試しください。


会社法入門 Book 会社法入門

著者:神田 秀樹
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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遺言事項と遺言執行の要否

 今日から6月。がぶりぽん事務所も本格スタートです。でも実際は普段とまったく変わらないんですけどネ。

 さて今日は先日の無料相談会がきっかけで,以前ご紹介したことのある「遺言執行の法律と実務 」で勉強した事を忘れないうちに書いておこうと思います。自分が将来死んだときに,残された家族の間で相続争いが起こらないように,今のうちに遺言書を作っておきたい。というご相談があったとしましょう。

 まず遺言書にもいろいろあるんですよ,ということで,自筆証書遺言,公正証書遺言,秘密証書遺言,と一通り説明した上で,紛争防止という観点からは公正証書遺言が一番明確でいいかもしれませんね,検認も要らないし,などというのが一般的ではないでしょうか。

 ああそうですか,じゃあその公正証書遺言にするとして,中身はどんなことを書けばいいんでしょうか,と相談者。さてみなさん。遺言事項は法定されていますから,プロとしてはキッチリ押さえておかなければなりません。適宜セールストークを交えるのもよいでしょう(笑)。今日はとりあえず話を先に進めます。

 法定遺言事項の説明を相談者にしたとして,次に考えるのが遺言執行の要否です。学校ではあまり気にしていませんでしたが,これは実務ではとっても重要な事ですね。

 たとえば,公正証書遺言をおススメして,その気になってらっしゃる相談者に対し,ついでだからその遺言書の中で遺言執行者の指定をなさるとよいでしょう,その際は是非ワタクシに,などといきなりスケベ心丸出しにしてはドン引きされてしまいます。また遺言執行の要否を検討しておかないと,仮に相談者がすっかり言う通りになって公正証書遺言を作成したとしても,依頼された行政書士が大恥をかく危険があるわけであります。

 つまりですね,法定遺言事項の中には,①遺言執行が必要なものと,②任意的なものと,③遺言執行の余地がまったくないものがあるわけです。③については遺言執行者の出る幕はありません。

 そんなわけで,法定遺言事項の説明をする際には,相談者の財産の内容や家族構成,予定している遺言の内容をうかがいながら,遺言執行の要否の事も織り交ぜつつ,個別具体的に説明してゆくとよいのではないでしょうか。

 

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