先日行われた公証人による電子定款の認証に関する講義がとても面白かったので,今日は公証人の機能についていろいろ言われていることの根拠条文を探しながら,公証人法をざっと読んでみました。条文はこちらです。
1)公証人はパスポートのコピーを認証することができない。
これは多分1条で公証人による認証の対象が私署証書に限定されているからでしょうね。パスポートは公文書ですから,そのコピー認証もできないのでしょう。
2)公証人の認証には,嘱託人が公証人の目の前にいなければならない。
58条及び58条の2が根拠ですかね。読みにくいですが58条が署名認証,58条の2が宣誓認証のようです。署名認証は公証人の目の前で署名しなければなりませんし,宣誓認証は代理人によることができないと規定されていますから宣誓は本人が公証人の目の前でしないとだめみたいです。
3)公証人の認証は,事実の認証だけでなく内容の適法性・有効性にまで及ぶ。
これは60条によって準用される26条が,不適法・無効・取消しうべき瑕疵がある証書の作成を禁じているのが理由と思われます。外国の公証人は事実の認証しかしない制度もあるようです。日本の公証人は内容まで審査したうえで認証するから,その認証に強力な証明力が生ずるのでしょうね。
証書の作成も同様です。金銭消費貸借契約締結時に強制執行受諾文言付きの公正証書を作っておいたら,不履行が生じたときに貸金返還請求訴訟をスキップして執行にかかれるというのも,当事者を目の前にして公証人がしっかりチェックしたんだから間違いはないんでしょう,っていう趣旨なのかもしれません。
また,公文書の認証ができないのも,公証人が内容の適法性・有効性までチェックすることと関係あるのかもしれません。偽物の公文書は当然無効ですけど,公文書が本物か偽物かなんて,いくら公証人だからって判断できないですものね。
でも,仮に法令違反・瑕疵ある意思表示を内容とする公正証書を作成したとしても,そんな証書はそもそも作成してはいけなかったわけですから(26条),その証書に公証の効力は発生しないように思えます(2条)。そんな執行証書で執行が始まってしまったとき,弁護士ならどうやって執行を止めるんでしょうか。ちょっと調べてみたくなりました。
・・・いろいろ書いてみましたが,これはあくまでワタクシの推測でありますからして,額面通り信じ込まないでくださいね。コンメンタールを見たわけでもないので間違っている可能性は高いです。
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